トルコの投資環境について ゼロクーポン債[トルコ・リラ建]

トルコ・リラ/円の為替レートは、2015年以降、国内でのテロ発生などによる地政学リスクの高まりや政治の先行きの不透明感などから下落傾向が続き、2017年1月には30円割れを記録しました。

その後は政治・経済面、金融政策面などで前向きな変化が見られ、下値を固める動きとなりました。

ところが9月半ば以降、2016年に発生したクーデター未遂事件に絡んで在トルコ米国総領事館の職員が逮捕されたことを受け、トルコ・アメリカ両国がビザの発給を停止するなど両国の対立を懸念して、トルコ・リラが一時5%を超える下落率を記録し、再び史上最安値を更新するなど、短期的には神経質な展開が見込まれます。

ただし、中長期的には欧州・中東・アジアに隣接するという地理的な優位性や増加傾向にある労働人口を背景にトルコ・リラは経済ファンダメンタルズ等を反映した動きになっていくものと思われます。

2015年以降の出来事

15年6月 総選挙でエルドアン率いる与党が過半数割れ
15年7月 イスラム国への空爆開始
15年10月 トルコの首都アンカラでテロが発生
15年11月 トルコの領空を侵犯したとしてロシア空軍機を撃墜
16年3月 トルコの首都アンカラでテロが発生
16年7月 クーデター未遂事件
16年9月 ムーディーズ社がトルコ長期債の格付けを引き下げ
17年1月 フィッチ社がトルコ長期債の格付けを引き下げ
主に2015年以降、国内外での政情不安や地政学リスクの高まりを受けて、トルコ・リラ/円は2017年1月に30円割れを記録。
17年4月 トルコ国民投票の実施
(大統領の権限強化を柱とした憲法改正案が承認)
17年6月 ロシア、トルコに対するロシア人渡航制限を解除
市場予想を大幅に上回るGDP成長率(1−3月期)発表
17年9月 4−6月期GDP成長率は+5.1%(前年同期比)と発表
2四半期続けて+5%成長を達成
17年10月 トルコ・アメリカ両国がビザの発給を停止
少しずつ前向きな変化の兆しが見られるようになってきている。
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経済面における明るい兆し

米国向けの輸出が5%以下である一方、欧州への輸出は半数近くと欧州の景気動向により影響を受けやすい貿易構造となっている。
2017年に入り、欧州圏の景況感が拡大していることは、トルコ経済にとってプラス材料となる見込み。

トルコの輸出先(2016年)
欧州の製造業PMIの推移

2016年のクーデター未遂事件の影響などから大幅に減少していた外国人観光客数(前年同月比)は2017年4月にプラスに転じ、6月から8月は前年 同月比40%超の増加と急回復している。
トルコは観光業が盛んなことから、足元の外国人観光客数の回復も景気の下支えになっているものと見られる。

外国人観光客数の推移
世界の観光客数ランキング(2016)

政治面における明るい兆し


2017年4月に実施された大統領の権限強化を柱とした憲法改正案に関する国民投票で賛成派が僅差で勝利し政治的不透明感が後退 している。

【 憲法改正の是非を問う国民投票の結果 】

賛成反対
51.4%48.6%

金融政策面における明るい兆し


政策金利である「1週間物レポレート」は、景気浮揚を目指すトルコ政府からの圧力が影響して、据え置かれている状況である。

しかしながら、トルコ中央銀行は、2016年末から通貨安・インフレ悪化への対応として、事実上の上限金利として機能している「後期流動性貸出金利」を引き上げ、金融引き締め姿勢を示しており、このことがトルコ・リラの下支え要因となっている。

【トルコの主要な金利推移 】

トルコの主要な金利推移

格付けについて


大手格付け会社による非投資適格級への格下げは2017年1月までに一巡したことでトルコにおける悪材料は格付けに相応に織り込まれたとみられている。

しかし、同年3月にムーディーズが格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げるなど、依然として楽観できない状況 は続いている。

【 トルコ国債の格付け 】

 格付け変更年月
ムーディーズBa12016年9月
S&P BB2016年7月
フィッチBB+2017年1月

コラム
トルコ・リラは2016年のブラジル・レアルのような反発が期待できるか?

2015年、ブラジル・レアルは国内景気の悪化や政治の混乱によって大幅に下落したが、2016年には主要新興国通貨のなかで最も上昇する結果となった。その要因として、2016年に入り、原油をはじめとした資源価格が回復したことで国内経済が持ち直したことや、2016年8月にルセフ大統領(当時)が弾劾裁判によって罷免され、テメル副大統領が大統領に就任したことで政治の先行きの不透明感が払し ょくされたことなど、政治面・経済面で前向きな変化が確認できたことが挙げられる。

最近のトルコにおいても2016年のブラジルで見られたような変化が見られることから、治安や政治面での不透明さはリスクとして残るものの、中長期的には経済成長を背景とした上昇が期待される。

トルコ・リラは2016年のブラジル・レアルのような反発が期待できるか?

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